地気(読み)ちき

精選版 日本国語大辞典 「地気」の意味・読み・例文・類語

ち‐き【地気】

〘名〙 (「ぢき」とも)
大地精気動植物生育を助ける地の生気
※仮名草子・かなめいし(1663)中「おなし所ながらつよくゆるとよわきとは地気(ヂキ)のわざなれば、さしてあやしむにたらず」
文明開化(1873‐74)〈加藤祐一〉初「樹木が根の地気(ヂキ)を吸ふ潤ひで枝葉の繁る様に」
② 地面から立ちのぼる気。水蒸気
※宝覚真空禅師録(1346)乾・境致・題渺温湯「地気薫蒸烟焼余、無窮泉脈甚焚如」
読本・英草紙(1749)一「あれこそ山峰に雲を出だすがごとくにて、地気(チキ)のなす所」 〔礼記月令
③ その土地の気。気候風土
※十善法語(1775)八「天気ただしくして地気応ず」 〔周礼‐考工記〕
④ 土壌中の空気炭酸に富み酸素が少ない。
接地。アース。

じ‐き ヂ‥【地気】

〘名〙 ⇒ちき(地気)

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デジタル大辞泉 「地気」の意味・読み・例文・類語

ち‐き【地気】

《「ぢき」とも》
大地の精気。動植物の成育を助ける地の生気。
地から立ちのぼる気。水蒸気。
土壌中の空気。炭酸に富み、酸素が少ない。
その土地の気。気候。
「―清潔にして、人に疾病少きを以て」〈輿地誌略・四〉

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普及版 字通 「地気」の読み・字形・画数・意味

【地気】ちき

大地の気。〔礼記、月令〕(孟冬の月)是のや、天子始めて裘(きう)す。司に命じて曰く、天氣上し、地氣下し、天地ぜず、閉塞してせと。百官に命じて、みて蓋せしむ。

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世界大百科事典(旧版)内の地気の言及

【気】より

…たとえば雲は,山や川から立ちのぼる気と考えられていたし(《説文》),雷は陰気の中に閉じこめられた陽気が無理に出ようとするときに発生するという(《朱子語類》巻九十九)。大地の中にも土や岩の空隙を縫って〈地気〉が走っている。そのコースを〈地脈〉という。…

※「地気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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