地方銀行(読み)ちほうぎんこう

精選版 日本国語大辞典 「地方銀行」の意味・読み・例文・類語

ちほう‐ぎんこう チハウギンカウ【地方銀行】

〘名〙 大都市以外に本店があり、その地方中心にした一定区域内を営業の主な基盤とする銀行。ふつう、地方産業に対する融資を主要業務とする。広義には、中央銀行に対する普通銀行をさすが、狭義には、都市銀行を除いた普通銀行を意味する。地銀。〔投機市場論(1926)〕
青べか物語(1960)〈山本周五郎〉はじめに「洋食屋、ごったくや、地方銀行の出張所〈略〉などがあり」

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デジタル大辞泉 「地方銀行」の意味・読み・例文・類語

ちほう‐ぎんこう〔チハウギンカウ〕【地方銀行】

全国の大・中都市に本店を有し、本店所在の都道府県内を主たる営業基盤とする普通銀行。地銀。→都市銀行第二地方銀行
[補説]全国に64行ある(令和2年3月現在)。相互銀行から転換した第二地方銀行と区別するため、第一地方銀行(第一地銀)とも呼ばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地方銀行」の意味・わかりやすい解説

地方銀行
ちほうぎんこう

銀行本体の設立根拠が国内法に準拠する普通銀行を国内銀行とよび、そのなかでも、一般社団法人全国地方銀行協会の会員となっている、地域に営業地盤を置く銀行を地方銀行とよぶ(2020年3月時点で64行)。第一地方銀行、第一地銀、地銀Ⅰともよばれる。都市銀行に比べると規模は小さい傾向にあるが、地域に営業地盤を置く地域金融機関(地方銀行、第二地方銀行、信用金庫信用組合)のなかでは大きい。地方銀行を含めた地域金融機関は、地域産業を金融面から支え、地域経済の活性化に貢献するという社会的使命をもつ。

 一般的に地方銀行の特色として、預金では個人預金のシェアが高いこと、主たる融資先を地場産業中堅中小企業としていること、公金の取扱いと地方債の引受けによって地元の地方公共団体と密接な関係をもっているといった傾向が指摘される。さらに2000年代以降、金融の自由化が進み、各種の金融商品(保険、個人年金、投資信託)の取扱いも充実させ、収益源の多様化にも努めている。また、地方銀行どうしや異業種との各種連携(例:業務提携、包括連携、資本業務連携)を通じて事業効率化に努めるといった取組みも進めている。しかし、長期化する低金利環境のもと、収益性の低下に苦しむ地方銀行が増えている。

[平田英明 2020年10月16日]

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百科事典マイペディア 「地方銀行」の意味・わかりやすい解説

地方銀行【ちほうぎんこう】

普通銀行のうち,都市銀行と信託銀行を除いたものの通称。おおむね地方都市に本店を置き,融資先も地方の中小企業が主であるが,都市銀行に匹敵する規模のものもある。2013年現在64行。なお,相互銀行から転換した第二地方銀行が41行(2013年)ある。
→関連項目一県一行主義銀行市中銀行相互銀行都市銀行

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地方銀行」の意味・わかりやすい解説

地方銀行
ちほうぎんこう

普通銀行のうち地方都市に本店を置き,主として所在する都道府県を営業地盤とする銀行。日本では 1936年に全国地方銀行協会が設立されて以来この用語が一般化した。地方における預貯金の吸収と地元産業への貸し付けをおもな業務としていたが,2000年代になって県境をまたいだ合併・統合が活発となり,複数の都道府県で営業を展開する地方銀行の広域化・再編が進んでいる。(→都市銀行

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「地方銀行」の解説

地方銀行

地方銀行とは、各都道府県に本店を置き、各地方を中心に営業を展開している普通銀行のこと。小口取引が主体で、取引対象を地元の中小企業や個人がメインとなる。資金量は全金融機関の1割程度。都市銀行のように大口取引は少なく、小口取引が主体で、取引対象は地元の中小企業や個人がメインとなる。中小企業に対し細やかに対応していることから、中小企業にとっては重要な資金調達先となっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「地方銀行」の意味・わかりやすい解説

地方銀行 (ちほうぎんこう)

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世界大百科事典(旧版)内の地方銀行の言及

【都市銀行・地方銀行】より

…普通銀行(普通銀行・特殊銀行)は都市銀行と地方銀行(それぞれ都銀,地銀と略称される)に分けられる。1936年9月全国地方銀行協会が設立され,その結成趣旨書で,はじめて地方銀行とはシンジケート銀行団(三井,三菱,安田,第一,住友などの大銀行)以外の中小銀行であると明示され,地方銀行の概念が一般化した。…

※「地方銀行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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