地方消費税(読み)チホウショウヒゼイ

デジタル大辞泉 「地方消費税」の意味・読み・例文・類語

ちほう‐しょうひぜい〔チハウセウヒゼイ〕【地方消費税】

地方税一種。8パーセントである消費税のうち都道府県税として配分される1.7パーセント分のこと。その半分市町村に配布される。平成9年(1997)導入
[補説]令和元年(2019)10月以降は消費税率10パーセントのうち7.8パーセントが国税分、2.2パーセントが地方消費税分となる予定

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地方消費税」の意味・わかりやすい解説

地方消費税
ちほうしょうひぜい

1989年(平成1)4月から実施された消費税は国税であり、取引の各段階で売上高に対して3%の税率で課税されたが、その税収の一部は消費譲与税とか地方交付税財源に繰り入れることにより、地方公共団体に交付されその歳入の一部を構成していた。しかし地方自治充実観点からは、国税として徴収した財源をこのような形で地方公共団体に交付するよりは、地方税として徴収したほうが好ましいとの理由により、地方消費税が1997年度から創設された。地方消費税の課税標準は国税の消費税額であり、税率は25%である。国税の消費税率は同年から4%に引き上げられたから、国税の消費税と地方消費税との合計税率は売上高に対しては従来の3%から5%に上昇した。当分の間は、国が消費税とあわせて賦課徴収する。都道府県内の市町村に対して清算後の額の2分の1を交付するという形で、都道府県と市町村という2階層の地方公共団体間に配分される。

[林 正寿]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地方消費税」の意味・わかりやすい解説

地方消費税
ちほうしょうひぜい

国の消費税と合わせて徴収される都道府県の税金。1989年に消費税が導入されると,地方税の主要な間接税が消費税に吸収され,地方公共団体の税収構造の不安定さが指摘されるようになった。地方単独事業,福祉事業の充実には,国税とは分離して税率を決めることができる地方消費税の導入が必要との見地などから,村山連立内閣は地方消費税の創設を決定。1997年4月の消費税率引き上げにあわせて導入され,消費税率 5%のうち 1%が地方消費税となった。当面は国が消費税と合わせて徴収する。2014年4月消費税率が 8%に引き上げられたのに伴い,地方消費税率も 1.7%に引き上げられた。2019年10月から税率が変わり,消費税率 10%のうち地方消費税は 2.2%,軽減税率 8%のうち,地方消費税率は 1.76%となった。

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知恵蔵 「地方消費税」の解説

地方消費税

消費税」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の地方消費税の言及

【特別地方消費税】より

…1988年,料理飲食等消費税を改めて設けられた地方消費税。料理店,貸席,カフェー,バー,飲食店,喫茶店,旅館その他これらに類する場所における遊興,飲食および宿泊ならびにこれらの場所における休憩等の利用行為に対して,その行為者にその行為地所在の道府県が課する税である(地方税法113条)。…

※「地方消費税」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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