地回・地廻(読み)じまわり

精選版 日本国語大辞典 「地回・地廻」の意味・読み・例文・類語

じ‐まわり ヂまはり【地回・地廻】

〘名〙
近在の土地。また、その土地から回送してくること。また、その品物
※俳諧・江戸新道(1678)「地廻りやけふ事かかぬ草の餠〈貞清〉」
② 近在をめぐり歩いて商売すること。また、その商人。地回り屋。
③ その土地に住みついている者。特に遊里、盛り場などに住んでぶらついているならず者。また、その縄張り内で客が起こした事件などを処理する者。
※評判記・野良三座詫(1684)玉沢吉三郎「ふりそでの子どもしゅのやくにはいかがと地まはりのもの申げに候」
④ (沖乗りに対していう) 陸岸の山や地形を目標としながら航海すること。上代以来の伝統的で素朴な航海法で、江戸時代でも天文航海術が普及していなかったため、これが航海の基本であった。地乗り。
※長器論(1801)「当時は沖乗りする者なく、地廻する者のみなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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