地合(読み)ジアイ

デジタル大辞泉 「地合」の意味・読み・例文・類語

じ‐あい〔ヂあひ〕【地合(い)】

布地品質。布の地質。また、布地。
義太夫節で、ことば以外の描写的な部分旋律をつけて語る。地。
取引市場で、人気雰囲気からみた相場状態場味
囲碁で、対局途中での双方の占める地の割合

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「地合」の意味・読み・例文・類語

じ‐あい ヂあひ【地合】

〘名〙
① 布地の品質。布の地質。また、布地そのもの。生地(きじ)。織り地。
※浮世草子・好色床談義(1689)四「われは河内の木綿うりなるが、〈略〉是はそもじにやろふと思ひ、中でもぢあいよきをばのけておきたり」
② 義太夫節で、詞(ことば)以外の地の部分。説明的描写的で、朗読風な部分と歌うような節(ふし)の部分とがある。
※浄瑠璃道之枝折(1771)「地 と云は 三味線にあふやうにくぎりよりくぎりまで間よく節をかたるを地合と云」
③ 気があるようなそぶりをしてみせること。思わせぶり。
洒落本・箱まくら(1822)上「それは、おまへがいやな客にでも、じあいをして引つけるがわるい」
④ 囲碁で、対局の途中における白黒相互の地構えの釣合。この場合、確定地、地模様などすべてを含めて大きさを比較する。
⑤ 取引市場で、市場の人気、雰囲気などからみた相場の状態。場味。

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世界大百科事典(旧版)内の地合の言及

【義太夫節】より

…訛るのを嫌って,江戸後期の大坂アクセントで語るのを原則としている。 一曲を大別すると,旋律をつけずに語る詞(ことば)と,旋律をつけて語る地(地合(じあい))になる。詞はせりふに相当する部分が主体となっているが,大序の冒頭で語られる序詞(じよことば)のような地の詞章もあるし,三味線を用い,ノリ間で語る〈詞ノリ〉などもある。…

【地】より

…また,八拍子(やつびようし)の構造における拍節上の単位を,その拍数によって本地(8拍),トリ地(4拍),片地(一地とも,6拍),オクリ地(2拍)などという。そして義太夫節では,もっとも本来的な音楽様式と考えられる地合(じあい)の略称として用いることがある。以上述べたような地と共通する音楽構造は,この語をとくに持たない分野にも認められる場合がある。…

※「地合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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