地上デジタルテレビ放送(読み)チジョウデジタルテレビホウソウ

デジタル大辞泉 「地上デジタルテレビ放送」の意味・読み・例文・類語

ちじょう‐デジタルテレビほうそう〔チジヤウ‐ハウソウ〕【地上デジタルテレビ放送】

ground-wave digital television broadcasting地上波を利用したデジタルテレビ放送従来のアナログ方式のテレビ放送に比べ、高画質化や多チャンネル化を図ることができる。伝送規格として日本のISDB-T、ヨーロッパのDVB-T、アメリカのATSCの3種類があり、日本の規格から派生したブラジルおよび南米諸国のSBTVDがある。日本とブラジル、ヨーロッパの規格は搬送波マルチキャリア方式を採用し、都市部においてもゴースト障害に強い。一方、アメリカの規格はシングルキャリア方式を採用し、視聴地域の面積当たりの電力消費が小さく、平坦で広大な地域での放送に向く。地デジDTT(digital terrestrial television)。DTTB(digital terrestrial television broadcasting)。DTTV(digital terrestrial television)。DTB(digital terrestrial broadcasting)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地上デジタルテレビ放送」の意味・わかりやすい解説

地上デジタルテレビ放送
ちじょうデジタルテレビほうそう

デジタル信号方式の地上波のテレビ放送。地上デジタル放送,地デジと略される。電波(周波数帯)の有効活用,情報化社会における多様なサービスの実現を目的として,日本国内では 2011年7月24日(東北地方太平洋沖地震で被災した宮城県,岩手県,福島県は 2012年3月31日)に,従来の地上アナログテレビ放送から移行した。1990年代以降メディアのデジタル化は世界的な流れで,イギリスは 1998年に世界で初めてデジタルテレビ放送を開始。日本は 1997年郵政省(→総務省)が地上デジタル放送懇談会を設立,地上デジタル放送の導入について検討を始めた。地上波では 2003年12月,関東近畿中京の三大広域圏でデジタル放送が始まり,その他の地域では 2006年12月までに段階的に実施された。2006年4月には携帯端末で地上デジタルテレビ放送が受信できるサービス「ワンセグ」が地域限定で始まった。一方 BS放送(→衛星放送)では 2000年12月に本放送が始まり,通信衛星を使った CS放送では,1996年パーフェクTVが日本初の CSデジタル放送を開始した。デジタル化によって,多チャンネル化,HDTVによる高画質・高音質番組,双方向通信天気予報ニュースなどの情報を得られるデータ放送,放送予定が見られる電子番組ガイド EPG字幕放送などが実現した。

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IT用語がわかる辞典 「地上デジタルテレビ放送」の解説

ちじょうデジタルテレビほうそう【地上デジタルテレビ放送】

地上波によるデジタル方式のテレビ放送。日本では平成15年(2003)に関東・中京・近畿地方の一部で放送が開始された。同23年(2011)に従来のアナログ方式のテレビ放送はすべて終了予定。アナログ方式に比べ、高画質化・多チャンネル化が可能となる。◇略して「地デジ」「地デジ放送」「地上デジタル放送」ともいう。また、「digital terrestrial television」(の頭文字)から「DTT(V)」、「digital terrestrial broadcasting」の頭文字から「DTB」、「digital terrestrial television broadcasting」の頭文字から「DTTB」ともいう。さらに、「地上波デジタルテレビ放送」などともいう。

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