地(漢字)

普及版 字通 「地(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(異体字)
10画

[字音] チ・ジ(ヂ)
[字訓] とち・つち

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 形声
声符は也(や)。也に池・馳(ち)の声がある。字の初文は(墜)に作り、その字は会意。神梯を示す(ふ)の前に、犬牲などをおき、土(社)神を設けて、陟降する神を祀るところ。神の降りたつことを(隊)という。はのち墜落の意となり、に代わる形声の字として地が作られた。〔説文〕十三下に「元气初めてれ、輕にして昜(やう)(陽)なるものは天と爲り、重濁して(いん)(陰)なるものは地と爲る。物の列(ちんれつ)するなり」(段注本)とあって、地と(陳)の双声によって訓している。〔経籍詁〕にあげる「底なり。大なり。なり。諦なり。施なり。易なり。土なり」などの訓も、音の関係を以て訓するものであるが、本義は神の降り立つところをいう。〔説文〕に籀文(ちゆうぶん)としてをあげるが、(たん)声で声が異なり、土部の〔説文新附〕にあげる墜(つい)が、地の初文であろう。金文の初文をに作る。地には異体の字が多く、は則天武后の新字十九字の一で山・水・土を合わせたもの、他に〔新字鏡〕に上古文二字、古文三字を録し、〔竜手鏡〕にもを含めて古文三字を録している。

[訓義]
1. とち。
2. つち。
3. ところ。
4. くに。
5. 場所、立場、身分。
6. 下地、生地、地質

[古辞書の訓]
名義抄〕地 トコロ・ソコ・タダ・タダシ・タヘタリ・ヤスシ・クツガヘル・ヤブル/地震 ナヰ/白地 アカラサマ/ 古の地の字なり。則天作る

[語系]
地dietとdiaiは声近く、は〔説文〕十二下に「るるなり」とあり、後ろに遠く引く貌。・馳・diaiは同声。髢dyekはかもじ、施sjiaiは旗のなびく形。みななびくような、起伏出入りのあるものをいう語である。

[熟語]
地獄・地震・地面・地衣・地位地異地維地緯・地域・地・地円・地下・地架・地・地界・地喙・地涯・地角地殻・地雁・地気・地示・地紀・地基・地・地宜・地球・地久・地峡・地境地均・地禁・地垠・地区・地窟地形・地契・地景・地穴・地血・地券・地険・地郊・地紘・地貢・地溝・地骨・地棍・地載・地際・地財・地産・地市・地志・地誌地軸・地実・地守・地訟・地上地神・地図・地制・地征地勢・地精・地籍・地仙・地銭・地租・地俗・地碓・地大・地・地著地中・地冑・地丁・地底・地点・地動・地徳・地・地肺地盤・地比・地皮・地痞・地表・地符・地賦・地物・地文地平・地変地歩・地畝・地宝・地保・地望・地味・地脈・地約・地輿・地妖・地籟・地絡・地利地理・地力・地霊・地裂・地炉・地老・地牢・地・地
[下接語]
委地・意地・苑地・遠地・下地・外地・廓地・割地・閑地・鹹地・危地・基地・貴地・客地・窮地・境地・極地・錦地・空地・隙地・見地・巻地・故地・高地・耕地・忽地・采地・祭地・削地・産地・散地・死地・失地・湿地・実地・地・斫地・除地・勝地・壌地・心地・侵地・親地・陣地・寸地・井地・生地・聖地・整地・尺地・斥地・赤地・席地・接地・戦地・潜地・素地・掃地・堕地・宅地・沢地・拓地・地・天地・転地・田地・土地・当地・投地・動地・入地・任地・配地・地・蛮地・地・美地・分地・平地・僻地・別地・辺地・墓地・封地・没地・本地・満地・門地・余地・輿地・要地・落地・楽地・立地・略地・両地・量地・領地・緑地・霊地・裂地・路地・露地

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android