精選版 日本国語大辞典 「土」の意味・読み・例文・類語
ど【土】
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広瀬川左岸沿いの東西に長い通りで、北西部は
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長塚節の長編小説。1910年(明治43)に《朝日新聞》に連載。夏目漱石の序を付して,12年春陽堂刊。作者の郷里である鬼怒川沿いの関東平野の寒村を舞台に,そこに生きる貧農勘次一家の人間関係と生活を丹念に描く。妻のお品は自分で妊娠中絶しようとして命を落とす。娘のおつぎは卑屈な入り婿の父勘次と元自作農だった誇りを持つ祖父卯平の間に立ってかいがいしく働く。この3人を中心に幼い弟妹や地主一家との交渉を描き,いくら働いても貧しさから脱出できない小作農の悲惨な生活の実態が示されている。また村の年中行事,四季の移りかわり,自然の風物の精細な描写も特色の一つである。いわば当時の農村の厳しい現実を客観的に再現してみせた農民文学の傑作である。
執筆者:浅井 清
1939年,内田吐夢監督により日活で映画化された。貧しい小作農勘次が,妻をなくしたあと,娘おつぎとともに労働に明け暮れつつも生活苦にあえぐ姿を,祖父卯平との不仲,地主との関係のなかで描いていく。シナリオは八木隆一郎,北村勉。配役は勘次が当時内田吐夢作品の常連であった小杉勇,おつぎが新人の風見章子,卯平が日活の名優山本嘉一。茨城県の農村に撮影用の農家を建て,そこにスタッフが住み込み,約1年間かけて撮影されただけあって,碧川(みどりかわ)道夫のカメラによる画面は,農村の四季をなまなましく克明にうつし出し,リアリズム映画の一頂点と目されるに至っている。内田吐夢は当時,稲あるいは米に関する記録映画を撮りたいと考えていたといわれ,そのことがこの作品に大きく反映して,自然主義リアリズムを超えるドキュメンタリズムの迫力を結実させている。例えば卯平の過失から勘次の家が全焼するシーンでは,実際の農家1軒を丸ごと燃やして,つぶさに撮影するほどに,内田吐夢の記録精神は貫徹された。すでに日本は戦時下にあり,一種の重農政策がとられはじめていた時代の作品ゆえ,国策映画に類するとの評価もあったが,そうした域を超える力があると認められ,日本映画史上の名作の一つに数えられている。
執筆者:山根 貞男
→土壌
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長塚節(たかし)の長編小説。夏目漱石の依頼で1910年(明治43)6月13日から11月17日まで「東京朝日新聞」に連載。12年5月春陽堂刊。鬼怒川沿いの自然と習俗を背景に,貧しい小作人勘次の屈折を強いられた生き方が,妻の死,舅との確執,亡妻そっくりの娘おつぎへの異常な愛情や,家の火事などを通して克明に描かれる。写生文を基調とした透徹したリアリズムによる近代農民文学の傑作。
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…また密教では認識作用の〈識大(しきだい)〉を加えて〈六大〉とし,一切万有・全宇宙の構成要素とする。【井ノ口 泰淳】
[西洋]
西洋では四大とは,〈四大元素four elements〉すなわち土,水,火,空気を指す。アリストテレスの哲学では,四大は乾,湿,熱,冷という四つの基本性質と配合され,土は乾と冷,水は湿と冷,火は乾と熱,空気は湿の熱の組合せに対応する。…
…土壌は一般に土ともいわれ,岩石の風化産物である微細な破砕物質と植物遺体に生物作用が働いて生じたものである。岩石の風化産物そのものは微細物質の凝集体であって,水分や空気は固体の中に閉じこめられ,その構造の中には植物の根が容易に侵入できない。…
※「土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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