土芥寇讎記(読み)どかいこうしゅうき

改訂新版 世界大百科事典 「土芥寇讎記」の意味・わかりやすい解説

土芥寇讎記 (どかいこうしゅうき)

江戸中期の大名紳士録ともいうべき書。編者不明。全43巻。1690年(元禄3)現在の全国諸大名243名につき,家系略歴居城,領内の状況,大名の人柄行跡などを列挙し,儒教立場から論評しており,個別藩制史料の欠を補うに足りる。東京大学史料編纂所所蔵。類書に《勧懲記》(1675),《諫懲後正》(1701)がある。《近世史料叢書》所収
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土芥寇讎記」の意味・わかりやすい解説

土芥寇讎記
どかいこうしゅうき

江戸時代の大名列伝の一つ写本 43冊。編者不明。東京大学史料編纂所所蔵。元禄3 (1690) 年現在の大名 243人の家伝,所領,行跡を記し,批評を加えている。『江戸史料叢書』の1冊として 1967年刊行。

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世界大百科事典(旧版)内の土芥寇讎記の言及

【地方知行】より

…江戸時代初期の大名家臣の多くは,知行を地方であてがわれるのが通例であったが,17世紀を通じて多くの諸藩は,地方知行を廃し蔵米知行へと知行制を変更していった。元禄初年の成立といわれる《土芥寇讎記(どかいこうしゆうき)》によれば,地方知行の藩39,蔵米知行の藩204であり,17世紀末には知行制の主流は蔵米知行となっていたことがうかがえる。地方知行の藩の大半は外様藩で,地域的には東北や辺境地域に多かった。…

※「土芥寇讎記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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