土師(読み)ハジ

デジタル大辞泉 「土師」の意味・読み・例文・類語

はじ【土師】

《「はにし」の音変化》
上代、陵墓管理、土器埴輪はにわ製作などをした人。
古代氏族土師部はじべを統轄した伴造とものみやつこで、のち、菅原・秋篠大枝おおえなどの諸氏に分かれた。

はに‐し【土師】

はじ(土師)

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精選版 日本国語大辞典 「土師」の意味・読み・例文・類語

はじ【土師】

〘名〙
① (「はにし(土師)」の変化した語) 埴輪などの土器を作ることをつかさどった人。土師部を統轄して土器を貢納した伴部(とものみやつこ)令制では諸陵司の伴部となり、陵戸を管して凶礼をつかさどった。のち、菅原氏と称して、同族は多く畿内に住み、秋篠・大枝などの諸氏を分立した。土師人(はしうど)
書紀(720)神代上(丹鶴本訓)「天穂日命、此は出雲臣武蔵国造土師(ハシ)の連等(むらしら)遠祖なり」

はに‐し【土師】

〘名〙 =はじ(土師)
風俗画報‐一五二号(1897)人事門「土師はハニシといふ、略してハシといへり」

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「土師」の解説

土師 はにし

?-? 奈良時代の女性。
遊行女婦といわれる。うかれめ(遊女)のたぐいか。天平(てんぴょう)20年(748)越中守(えっちゅうのかみ)大伴家持(おおともの-やかもち)が左大臣橘諸兄(たちばなの-もろえ)の使者田辺福麻呂(さきまろ)をもてなした宴での歌,久米広縄(くめの-ひろなわ)の館でひらかれた宴での歌2首が「万葉集」巻18におさめられている。土師は姓か名かも不明。

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世界大百科事典(旧版)内の土師の言及

【八千代[町]】より

…米作,野菜栽培,養鶏が行われるが,南に接する広島市への交通の便に恵まれ,工場が進出している。1974年多目的ダムとして可愛川をせき止めた土師(はじ)ダムが完成,八千代湖の湖底に少なからぬ農地,山林が水没したが,湖を中心に土師ダム記念公園,サイクリング施設などができ,観光開発が進む。土師には南北朝期に足利尊氏に属して軍功をたて,土師郷を与えられたという中村氏の居城田屋城があったが,城跡は一部を除き湖に水没した。…

【土師氏】より

…後には,軍事や外交方面でも活躍した。土師氏の名は,ハニ(土器や瓦などの製作に適した粘土)に由来する。すなわち,ハニを用いて作られるのが埴輪土師器(はじき)であり,製作する工人がハニシ(土師)であった。…

※「土師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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