土壌殺菌剤(読み)どじょうさっきんざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土壌殺菌剤」の意味・わかりやすい解説

土壌殺菌剤
どじょうさっきんざい

作物に有害な土壌中の病原菌を殺すために用いる農薬。たとえばクロルピクリン剤は土壌に注入するとガス状になって地中に拡散して病原菌に接触,その細胞内の SH基と反応し生理作用の変調を起させて殺す。きゅうりの蔓割病,なすやトマトの青枯病白菜キャベツ軟腐病などの防除に効果がある。土壌殺菌剤にはこのほか臭化メチル薫蒸剤,PCNB剤などあるが,いずれも人畜に有毒なので使用の際は十分注意する必要がある。

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世界大百科事典(旧版)内の土壌殺菌剤の言及

【土壌消毒】より

…土壌中に残って植物に病害を起こす微生物を撲滅する目的で行われる物理的,化学的消毒のこと。対象となる病害は,センチュウによる根こぶ病,細菌による青枯病,軟腐病,菌類によって起こる立枯病,根腐病,萎(いちよう)病,白絹病などである。土壌消毒に用いられる薬剤には,クロルピクリン,臭化メチル,D‐D剤などがある。クロルピクリンは土が湿っているときに効きめがよく,乾燥しすぎてもまた逆に湿りすぎてもよくない。…

※「土壌殺菌剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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