園女(読み)そのめ

精選版 日本国語大辞典 「園女」の意味・読み・例文・類語

そのめ【園女】

江戸前期の女流俳人伊勢の人。元祿四俳女の一人。通称度会(わたらい)。医師斯波一有に嫁ぐ。芭蕉の門。元祿五年(一六九二大坂に移住し、雑俳点者としても活躍するが、同一六年(一七〇三)夫と死別し、宝永二年(一七〇五其角をたよって江戸に下った。晩年剃髪して智鏡と称した。著、「菊の塵」「鶴の杖」など。寛文四~享保一一年(一六六四‐一七二六

そのじょ そのヂョ【園女】

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デジタル大辞泉 「園女」の意味・読み・例文・類語

そのめ【園女】

斯波園女しばそのめ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「園女」の意味・わかりやすい解説

園女
そのめ
(1664―1726)

江戸前期の俳人。斯波(しば)氏。別号に智鏡(ちきょう)。伊勢(いせ)山田(三重県)の神官の娘。同地の俳人医師斯波一有に嫁した。夫の影響で俳諧(はいかい)を覚え、1688年(元禄1)芭蕉(ばしょう)に入門、1692年夫とともに大坂へ移住。1694年には芭蕉を招き、「白菊の目に立てて見る塵(ちり)もなし」という翁の発句(ほっく)による九吟歌仙を興行した。大坂では西鶴(さいかく)などとも交わり、医業のかたわら俳諧および雑俳の点者(てんじゃ)をしていたが、1703年(元禄16)夫に死別、のち江戸に出て眼科医を開業しながら、其角(きかく)ら江戸座の連中と交流していた。しかし、晩年は和歌に専心していたらしい。著書に『菊の塵』(1706?)、『鶴(つる)の杖(つえ)』(1723)など。

 竹のこに小坂の土の崩れけり
[堀 信夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「園女」の意味・わかりやすい解説

園女 (そのめ)
生没年:1664-1726(寛文4-享保11)

江戸前・中期の俳人。姓は秦(はた)。伊勢山田の人。神官秦師貞の娘で,斯波(しば)一有(後に渭川(いせん))に嫁した。のち剃髪して智鏡。1688年(元禄1)2月,伊勢来遊の芭蕉に入門。一有とともに大坂移住。雑俳点者としても活躍。一有没後,1705年(宝永2)冬に其角を頼って江戸に下り,眼科医を業とし,江戸俳人と交わった。奇行にとみ,逸話が多い。編著に《菊の塵》,60歳の賀集《鶴の杖》。〈鼻紙の間にしほるゝすみれかな〉(《住吉物語》)。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「園女」の解説

園女 そのめ

斯波園女(しば-そのじょ)

園女 そのじょ

斯波園女(しば-そのじょ)

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