国家安全保障局[アメリカ合衆国](読み)こっかあんぜんほしょうきょく[アメリカがっしゅうこく](英語表記)National Security Agency; NSA

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

国家安全保障局[アメリカ合衆国]
こっかあんぜんほしょうきょく[アメリカがっしゅうこく]
National Security Agency; NSA

国防省に属するアメリカ合衆国情報機関略称 NSA暗号や通信による諜報および安全保障を担当する。本部所在地はメリーランド州フォートミード。第2次世界大戦中に行なわれた通信諜報活動から生まれ,1952年にハリー・S.トルーマンがくだした大統領令により設置された。議会が創設した組織ではないため,その活動は議会審査の対象とならないことが多い。任務は,アメリカ軍や政府機関のためにコード暗号やサイファー暗号などの暗号法を保護し,新たに考案すること,また世界中で送受信される,電子的方法をはじめとした種々の暗号情報を傍受,分析,解読することである。1978年成立した外国情報監視法 FISAは,NSAの権限に制限を設け,アメリカ市民を対象とした活動を禁止した。2008年同法の改正により,NSAは国内通信を,その通信の相手がアメリカ国外にいると信じる正当な理由がある場合は,令状なしに傍受できる権限を与えられた。職員数や予算の点で中央情報局 CIAをはるかにしのぐとみられる。また信号情報収集 SIGINTの量も世界最大である。2013年に元 NSA職員で技術者エドワード・スノーデンが,監視プログラム「PRISM」によるアメリカの複数インターネット・サービス・プロバイダーからの情報取得と,携帯電話通信からのメタデータの収集という,偵察活動に関する機密情報を暴露し,NSAの活動に注目が集まった。

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