20世紀日本人名事典 「国吉 康雄」の解説
国吉 康雄
クニヨシ ヤスオ
大正・昭和期の洋画家
- 生年
- 明治22(1889)年9月1日
- 没年
- 昭和28(1953)年5月14日
- 出生地
- 岡山県岡山市中出石町
- 主な受賞名〔年〕
- カーネギー国際展一等賞〔昭和18年〕
- 経歴
- 明治39年、17歳で渡米して苦労しながらアート・ステューデンツ・リーグなどで学ぶ。大正11年初個展をニューヨークで開催。14年と昭和3年渡欧。4年ニューヨーク近代美術館の“19人の現存アメリカ画家展”の一人に選ばれて米国画壇の脚光を浴び、8年アート・ステューデンツ・リーグ教授となる。18年「誰かが私のポスターを破った」でカーネギー国際展一等賞を、つづいて19年“合衆国の絵画1944展”で一等賞を受賞し、アメリカ具象絵画の代表作家となる。第2次大戦中は日本向け短波放送で反戦を訴えるなど平和促進のために積極的に活動。当時の代表作に「夜明けが来る」がある。戦後アメリカ芸術家組合の初代会長を務めた。27年ベネチア・ビエンナーレ展にアメリカ代表の一人として出品。作風は、後期印象派、アメリカン・プリミティブの牧歌調、フォークアートなど時代に応じて多岐にわたり、晩年にはカゼイン系の色を用いた仮面・道化を好んで描いた。終生日本国籍。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報