国体の本義(読み)コクタイノホンギ

デジタル大辞泉 「国体の本義」の意味・読み・例文・類語

こくたいのほんぎ【国体の本義】

昭和12年(1937)文部省天皇中心の国体護持立場から編集・発行した国民教化用の出版物

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精選版 日本国語大辞典 「国体の本義」の意味・読み・例文・類語

こくたい‐の‐ほんぎ【国体の本義】

〘名〙 昭和一二年(一九三七)、文部省の発行した出版物。万世一系の天皇の支配する日本特殊性、優秀性を国民に鼓吹するための書。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「国体の本義」の解説

国体の本義
こくたいのほんぎ

1935年(昭和10)の国体明徴運動をうけて文部省が刊行した書。政府による正統的国体論統一普及役割をになった。国体明徴と教学刷新のため文部省に設置された教学刷新評議会審議と並行して編纂され,37年5月刊行。共産主義温床として個人主義を排撃し,日本は皇室宗家とする一大家族国家と規定して,天皇への絶対随順を説いた。はじめ20万部を作成し全国の学校や官庁頒布,中等学校入学試験にも出題された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国体の本義」の意味・わかりやすい解説

国体の本義
こくたいのほんぎ

文部省編,1937年5月刊行。 35年頃から高まった「国体明徴」「教学刷新」の意義を明らかにし,その精神を国民に徹底させることを企図した。神話と古典に依拠して,国史の諸過程を「肇国の精神の顕現」としてとらえるとともに,西洋近代思想を激しく排撃している。 45年占領軍により『臣民の道』とともに発売禁止となったが,49年にはアメリカで J.ガントレットの英訳が刊行され,今日にいたるまで研究材料とされている。

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旺文社日本史事典 三訂版 「国体の本義」の解説

国体の本義
こくたいのほんぎ

日中戦争の直前,教学刷新のため文部省教学局が発行した国民的教科書
1937年刊。日本精神の指導者養成のテキストとして出版。続いて,'41年『臣民の道』を刊行。内容は当時の国民精神総動員の基本線を,記紀の文を引用して述べたもの。

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