デジタル大辞泉
「囲い込み」の意味・読み・例文・類語
かこい‐こみ〔かこひ‐〕【囲い込み】
1 外へ出ないよう囲いの中に入れること。中に取り込むこと。「羊の囲い込み」
2 他者に取られないよう確保すること。「人材の囲い込み」
3 ⇒エンクロージャー
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囲い込み
かこいこみ
enclosure
共同利用が認められている耕作地・森林や未開墾 (みかいこん) 地などを柵 (さく) ・生垣 (いけがき) などで囲み,他人の利用を認めない私有地であることを表示する行為
中世末期のヨーロッパ,特にイギリスで,領主や地主が牧羊業や集約農業を行うために起こした。英語では「エンクロージャー」と訳され,第1次と第2次がある。
【第1次】15世紀半ばから17世紀にかけて,マニュファクチュアの発達と羊毛価格の高騰がみられたイギリスで非合法的に行われた。中部諸州で盛んで,最盛期にはイギリス全土の2.76%にも達し,この状態をトマス=モアはその著『ユートピア』の中で,「羊が人間を喰う」と描いて批判した。
【第2次】17世紀半ばから19世紀半ばにかけて,農業経営の合理化と農地個人主義の確立のため,議会が奨励する合法運動として行われた。
【意義】第1次囲い込みは大量の浮浪人を出し,第2次囲い込みは農民を大農場での農業労働者や工場での工業労働者とし,資本主義的大農経営や産業革命の発達に大きな影響を与えた。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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