普及版 字通 「困(漢字)」の読み・字形・画数・意味
困
常用漢字 7画
(異体字)
8画
[字訓] くるしむ・こまる
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 象形
枠に木をはめて、出入を止める門限の形。(こん)の初文。〔説文〕六下に「故廬なり」というのは〔管子、地図〕にいう「困殖の地」すなわち開墾地の廬舎の意とするものであるが、字の本義としがたい。〔子、大略〕「井里の厥(けつ)」は〔晏子、雑上二十三〕の「井里の困」にあたり、門(もんけつ)をという。〔説文〕古文の字はに作り、進入を防ぐ木の意であろう。のち門限の字にを用い、困急・困難の意に困を用いる。
[訓義]
1. とめ木、門の出入を禁ずるものでの初文。のちその義にを用いる。
2. 木のわく、進退にくるしむ、こまる、きわまる、あやうい。
3. とぼしい、まずしい、つかれる、みだれる。
4. 田中の廬。
5. 易卦の一。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕困 ハナハダシ・キハム・クルシム・クルシブ・タシナム・クルシ・ネムコロ・ミダル・ツカル 〔字鏡集〕困 ハナハダシ・キハマル・キハム・タシナム・ミダル・ツカル・クルシブ・クラ・ネンゴロ・タハシ(シナ)ム・クルシ・ウム
[声系]
〔説文〕に困声として梱・悃など三字を収める。梱は〔説文〕六上に「門なり」とあっての初文。は〔玉〕に「門限なり」とあって門闕の意である。
[語系]
困・悃khunは同声。匱giutは空乏の意の字。困を困乏・困窮の意に用いるのは、匱と同系の語として用いるものであろう。
[熟語]
困畏▶・困慰▶・困▶・困▶・困臥▶・困悔▶・困学▶・困匱▶・困却▶・困窮▶・困急▶・困窘▶・困苦▶・困窶▶・困劇▶・困竭▶・困蹶▶・困▶・困蹇▶・困殺▶・困蹙▶・困傷▶・困辱▶・困悴▶・困酔▶・困睡▶・困折▶・困絶▶・困賤▶・困阻▶・困息▶・困殆▶・困滞▶・困餒▶・困知▶・困躓▶・困▶・困闘▶・困橈▶・困篤▶・困毒▶・困頓▶・困屯▶・困敦▶・困難▶・困敗▶・困廃▶・困憊▶・困迫▶・困薄▶・困否▶・困▶・困▶・困貧▶・困弊▶・困兵▶・困敝▶・困勉▶・困乏▶・困▶・困眠▶・困▶・困▶・困厄▶・困▶・困約▶・困隘▶・困抑▶・困立▶・困吝▶・困累▶・困劣▶
[下接語]
艱困・飢困・匱困・久困・救困・窮困・窘困・苦困・窶困・遇困・孤困・昏困・疾困・酒困・受困・愁困・重困・春困・消困・乗困・常困・心困・振困・衰困・多困・知困・屯困・難困・疲困・病困・貧困・兵困・弊困・乏困・民困・厄困・困・困・老困
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報