因位(読み)いんい

精選版 日本国語大辞典 「因位」の意味・読み・例文・類語

いん‐い ‥ヰ【因位】

〘名〙 仏語。仏になるために修行している位。また、その期間仏道修行の果である仏の位に対する、菩薩地位因地。いんに。⇔果位
霊異記(810‐824)下「観音も亦爾(しか)り。正覚を成すと雖も、有情饒益(ねうやく)せむが故に、因位に居り」

いん‐に ‥ヰ【因位】

〘名〙 「いんい」の連声
幸若・常盤問答(室町末‐近世初)「釈迦仏のいんにじゅどう菩薩とおはせし時」

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デジタル大辞泉 「因位」の意味・読み・例文・類語

いん‐い〔‐ヰ〕【因位】

仏語。仏道の修行中で、まだ悟りを開くに至らない位。菩薩ぼさつの地位。因地いんじ。いんに。⇔果位かい

いん‐に〔‐ヰ〕【因位】

いんい」の連声れんじょう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「因位」の意味・わかりやすい解説

因位
いんに

仏教用語。修行の結果に到達するまでの過程原因とみなしていう。結果としての悟りにいたる以前の修行の過程,また求道者である菩薩の段階のこと。因地 (いんじ) ともいう。

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