(読み)もとおし

精選版 日本国語大辞典 「回」の意味・読み・例文・類語

もとおし もとほし【回】

〘名〙 (動詞もとおす(回)」の連用形名詞化)
① もとおすこと。めぐらすこと。
② めぐり。まわり。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※清原宣賢式目抄(1534)三二条「礼記には、辺邑と云は九州の外を云、縁はもとをし也」
※新撰六帖(1244頃)二「御狩場のま白の鷹のもとをしはうき世にめぐるしわざ成けり〈藤原家良〉」
※とはずがたり(14C前)三「ゑりもとをしに、かはをのたち」

かい クヮイ【回】

[1] 〘名〙 一定事柄継続反復して行なう時、それを区切った一つのまとまり。「回を重ねる」
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉七「王の他船を借んことを請けるが、この回の利なきを以て信用せられず」
[2] 〘接尾〙 数または順序に関する語に付いて、回数を表わすのにいう。
※金刀比羅本保元(1220頃か)上「其後帝王廿五代、星霜三百余回(さんびゃくよクヮイ)也」 〔杜甫‐将赴成都草堂途中先寄厳鄭公詩〕

もとおろ・う もとほろふ【回】

〘自ハ四〙 (動詞「もとおる(回)」の未然形に反復・継続を表わす助動詞「ふ」が付いた「もとおらふ」の変化したもの) =もとおる(回)
古事記(712)中・歌謡神風伊勢の海の 大石に 這ひ母登富呂布(モトホロフ) 細螺の い這ひ廻り 撃ちてし止まむ」

もとお・す もとほす【回】

〘他サ四〙 めぐらす。まわす。
※古事記(712)中・歌謡「豊寿(とよほ)き 寿き母登本斯(モトホシ) 献り来し 御酒ぞ 残さず飲(を)せ ささ」

もとほ・る【回】

〘自ラ四〙 ⇒もとおる(回)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「回」の意味・読み・例文・類語

かい【回】[漢字項目]

[音]カイ(クヮイ)(漢) (ヱ)(呉) [訓]まわる まわす めぐる かえる
学習漢字]2年
〈カイ〉
ぐるりとまわる。「回転回避迂回周回巡回旋回転回
順に送る。「回状回送回読回覧
元の状態に戻る。戻す。かえす。「回帰回収回春回答回復奪回撤回挽回
前の事を振り返る。「回顧回想
度。度数。「回数今回初回数回前回毎回
イスラム。「回教
(「かい」の代用字)体内に寄生する虫。「回虫
〈エ〉まわす。めぐる。めぐらす。「回向回心
[補説]「囘」は「回」の古字。
[難読]浦回うらみ回回教フイフイきょう

かい〔クワイ〕【回】

[名]
ある事柄を繰り返すときの、ひと区切り。回数。「を重ねる」
野球で、イニング。「早い
[接尾]助数詞。数または順序を表す語に付いて、度数または順序を表すのに用いる。「七裏」「次

わ【回/曲】

山裾・川・海岸などの曲がりくねった所。「かわわ(川曲)」「うらわ(浦回)」など、多く複合語として用いられる。
「あはれしや野焼にもれし峰の―のむら草がくれきぎす鳴くなり」〈永久百首〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典 「回」の解説

 大脳半球を形成している隆起.表層部のみならず,溝を作っている壁や下部に隠れた部分も含めた名称.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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