四者会談[朝鮮問題](読み)よんしゃかいだん[ちょうせんもんだい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四者会談[朝鮮問題]」の意味・わかりやすい解説

四者会談[朝鮮問題]
よんしゃかいだん[ちょうせんもんだい]

朝鮮半島の恒久的な和平枠組みを確立することを目的とした,韓国,北朝鮮,アメリカ,中国の4ヵ国による会談。 1950年に勃発した朝鮮戦争は,53年に国連軍と北朝鮮・中国による休戦協定が調印されてはいるが,形式的には依然戦闘状態にある。その休戦協定に代る恒久的な和平枠組み確立に向けての四者会談が 96年韓国の金永三大統領とアメリカのクリントン大統領の会談で提案された。これまで南北の2国間やアメリカを含めた和平提案とは違い,休戦協定調印国の中国が会談に参加していることが画期的ともいえる。当初,北朝鮮は会談に反対していたが,97年 12月にジュネーブで第1回会談が開催された。会談はその後もたびたび開かれたが,朝鮮半島の非核化や両国間の信頼醸成措置といった,これまでの合意事項の履行を求めている韓国に対して,北朝鮮はアメリカとの関係改善を優先させ,食料援助や制裁緩和を引出したいというおもわくがあり,交渉の実質的進展はみられていない。

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