四エチル鉛(読み)しエチルなまり(英語表記)tetraethyllead

翻訳|tetraethyllead

精選版 日本国語大辞典 「四エチル鉛」の意味・読み・例文・類語

しエチル‐なまり【四エチル鉛】

〘名〙 (エチルはethyl) 化学式 Pb(C2H5)4 無色油状液体毒性が高く、吸入したり皮膚に接触すると神経系統がおかされ、貧血頭痛などを起こす。重症になると痙攣(けいれん)を起こして死に至ることもある。アンチノック剤として、自動車航空機ガソリンに混合して用いられたが、現在はこれを含まない無鉛ガソリンに移行した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「四エチル鉛」の意味・読み・例文・類語

しエチル‐なまり【四エチル鉛】

テトラエチル鉛

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「四エチル鉛」の意味・わかりやすい解説

四エチル鉛 (しエチルなまり)
tetraethyllead

有機金属化合物の一つで,テトラエチル鉛ともいう。化学式Pb(C2H54。沸点約200℃の無色の可燃性液体。水には不溶であるが炭化水素には可溶猛毒で,呼吸または皮膚接触により神経系の障害をひき起こす。自動車ガソリン航空ガソリンなどのアンチノック剤として添加されていたが,排気による大気汚染防止観点からその添加量が制限されるようになり,現在の日本のレギュラーガソリンには含まれていない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「四エチル鉛」の意味・わかりやすい解説

四エチル鉛【しエチルなまり】

化学式はPb(C2H54。有機金属化合物。テトラエチル鉛とも。無色油状の可燃性液体。融点−136℃,沸点約200℃(11mmHg)。水に不溶,有機溶媒に可溶。猛毒。自動車および航空機用ガソリンのオクタン価を上げるために添加されていたが,近年,排気による大気汚染防止の観点から添加量が制限され,現在レギュラーガソリンには無添加。→アンチノック剤

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「四エチル鉛」の意味・わかりやすい解説

四エチル鉛
しえちるなまり

テトラエチル鉛

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四エチル鉛」の意味・わかりやすい解説

四エチル鉛
しエチルなまり

テトラエチル鉛」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の四エチル鉛の言及

【アンチノック剤】より

…ガソリンエンジンのノッキングを防止するために,ガソリンに添加される化合物をいう。鉛,鉄,マンガンなどの有機金属化合物がノッキング防止作用をもつことが知られているが,最も著名なのは四エチル鉛(C2H5)4Pb,四メチル鉛(CH3)4Pb,エチルメチル鉛などのアルキル鉛化合物である。これらを臭化エチレン,塩化エチレンなどの助剤とともにガソリンに微量添加すると,ガソリンのオクタン価が5~15上昇する。…

※「四エチル鉛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android