囚獄(読み)しゅうごく

精選版 日本国語大辞典 「囚獄」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐ごく シウ‥【囚獄】

〘名〙
① 牢。牢屋牢獄牢舎獄舎。〔伊呂波字類抄鎌倉)〕
※二老略伝(1772)九皐先生嗣録「常の人尺寸も動す事能はざる足かせ有、常に囚獄におく処なり」
② 江戸時代、江戸小伝馬町の牢屋の長。俗に牢屋奉行ともいう。石出帯刀が世襲した。町奉行支配に属し、配下に牢屋同心などがいた。
※禁令考‐後集・第一・巻一(18C前‐中)「一、囚獄石出帯刀御切米三百俵被下置候」
③ 獄に拘禁する刑。入牢。
随筆世事見聞録(1816)四「一体公事裁判は、義理の曲り犯を廉直にし、囚獄及罪科に行ふは」

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デジタル大辞泉 「囚獄」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐ごく〔シウ‐〕【囚獄】

囚人を入れておく獄舎。牢獄ろうごく。牢屋。牢。

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普及版 字通 「囚獄」の読み・字形・画数・意味

【囚獄】しゆうごく

牢獄。

字通「囚」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の囚獄の言及

【石出帯刀】より

…江戸小伝馬町牢屋の長。職名を囚獄(しゆうごく)と称するが,牢屋奉行とも俗称した。江戸幕府創立以来石出家が世襲し,帯刀を名のった。…

【行刑】より

…同年,それに先立ち,西洋法を参照して制定された懲役法により,笞・杖が短期自由刑たる懲役に代えられていたが,73年には先述の徒場は懲役場と改称され,同年の改定律例では,流・徒刑も刑期はそのままに(ただし終身が加わる)懲役に一本化された。先の小原監獄則は,従来用いられていた囚獄の語を監獄に変え,独房制を導入し,未決・既決,男女を分けるなど進歩的であったが,財政的理由等から本格的実施をみないまま効力を停止された。監獄事務は73年に司法省から内務省に移管されていたが,西南戦争等による受刑者激増を契機に,各府県の懲役場とは別に79年内務省直轄の集治監が宮城県と東京府に開設された。…

※「囚獄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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