精選版 日本国語大辞典 「囂・喧」の意味・読み・例文・類語
かしがまし・い【囂・喧】
① 声や音が、耳ざわりなほど騒々しい。やかましい。かしましい。かまびすしい。
※源氏(1001‐14頃)東屋「かしかましきまで追ひののしりて」
② ちょっとしたことにもとやかく言う。口うるさい。
※平中(965頃)二七「わびしくさがなき朽嫗(くちをな)の、〈略〉かしかましきものなりければ」
③ いろいろ入りまじって煩わしい。
[語誌](1)「かし」は「かしまし」の「かし」と通じ、「かま」は「かまし」「かまかまし」「かまびすし」の「かま」で、いずれもほぼ同意の語である。
(2)近世以後第三音節が濁音となったが、接尾語「がまし」との類推、近接によるか。
(2)近世以後第三音節が濁音となったが、接尾語「がまし」との類推、近接によるか。
かしがまし‐げ
〘形動〙
かしがまし‐さ
〘名〙
かま‐びすし・い【囂・喧】
① (音や声が)やかましい。さわがしい。かしましい。かまみすし。
※方丈記(1212)「波の音、常にかまびすしく、しほ風ことにはげし」
② =かまびすし(囂)②
[語誌]ク活用の「かまびすし」は元来は漢文訓読語で、中古の和文では「かしがまし」が用いられた。中世以後も主に文語的文体の中で使われ、それに対応する口語は、中世では「かしまし」、近世では「やかまし」「さわがし」であった。
かまびすし‐さ
〘名〙
かま‐びす・し【囂・喧】
〘形ク〙
① =かまびすしい(囂)①
※為相本曾丹集(11C初か)「かまびすくすだきし虫も声やみていまは嵐の音ぞはげしき」
② 困窮するさまをいう。〔和訓栞(1777‐1862)〕
[語誌]→「かまびすしい」の語誌
かま‐びそし【囂・喧】
〘形シク〙 (「かまびすし(囂)」の変化した語) =かまびすしい(囂)
※太平記(14C後)二四「爰に近年禅法之興行天下に喧(カマビソシ)」
かま・し【囂・喧】
〘形ク〙 (単独使用の確例はないが、「あなかま」の「かま」がこれの語幹と考えられるところから、ク活用と推定される。なお、「かまかまし」「かまみすし」「かまびすし」の「かま」も、これの語幹であろう) =かまびすし(囂)
かま‐みす・し【囂・喧】
〘形ク〙 =かまびすし(囂)〔金光明最勝王経音義(1079)〕
かま‐びすし【囂・喧】
〘形シク〙 ⇒かまびすしい(囂)
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