噴射推進器船(読み)ふんしゃすいしんきせん(英語表記)jet-propelled ship

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「噴射推進器船」の意味・わかりやすい解説

噴射推進器船
ふんしゃすいしんきせん
jet-propelled ship

推進力としてスクリューの代りに水を噴射して進む船。ジェット機空気を吸込み,エンジンから吹出す力で飛行する原理に似ており,船首,船側部などから多量の水を吸込み,それを船内の動力船尾から吐き出す反動で船を動かす。水は空気のように軽くないので効率は低いが,水深の浅い湾内でも,船底がつかえて推進器が破損されるようなおそれがなく,操縦が容易などの点から,渡船や港内引船に用いられているところがある。しかし建造費と燃料費の面で,採算的にむずかしい面もある。近年水中翼船など船舶の高速化に対応する推進システムとしてこの方式を採用することが増加している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android