(読み)き

精選版 日本国語大辞典 「器」の意味・読み・例文・類語

き【器】

〘名〙
うつわ。いれもの。器物。また、それを数えるのに用いる。
※遊楽習道風見(1423‐28頃)「山海・草木、有生・非生に至る迄、万物出生をなす器は天下也」 〔論衡命祿
② 物事に役に立つ才能。また、有能な人物器量資質
※保元(1220頃か)上「昔より位をつぎ、譲りをうくること、必ず嫡孫にはよらね共、其の器をえらび外戚安否をも尋ねらるるにてこそあれ」
※仮名草子・身の鏡(1659)中「景時と先陣あらそひ、是又将の器(キ)にあたらぬ作法なり」 〔漢書‐韋賢伝〕
③ はたらきを備えたもの。機能あるもの。「消化器」「循環器」「感覚器」などの形で用いる。
④ 小型の、また、それ自身には動力装置のない機械。「受話器」「電熱器」などの形で用いる。

うつわ うつは【器】

〘名〙 (古くは「うつわもの」の語形をとる)
① いれもの。容器。うつわもの。〔補忘記(貞享版)(1687)〕
器具道具
※読方入門(1884)〈文部省〉「たいこらっぱ、たいはうは、いくさのときのうつはなり」
③ 人物や才能などの大きさ。器量。
※歌林四季物語(1686)一「よかるべきうつはには位をのぼせ」
女陰
※雑俳・末摘花(1776‐1801)二「初会にはうつわをかすとおもふ也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「器」の意味・読み・例文・類語

き【器】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]うつわ
学習漢字]4年
入れ物。また、一定の形に作られた道具。「楽器機器凶器銀器磁器漆器什器じゅうき食器土器陶器鈍器武器名器容器利器
生物体で、特定の働きと形を持つもの。「器官性器臓器
人間の働きや才能。「器用器量才器大器凡器
[名のり]かた
難読土器かわらけ

うつわ〔うつは〕【器】

物を入れるもの。入れ物。容器。「に盛る」
人物や能力などの大きさ。器量。「人の上に立つではない」
道具。器械。〈和英語林集成
[類語](1容器入れ物器物食器酒器曲げ物ケースカプセル/(2人物ひと人柄為人ひととなり人格器量度量にん人間性品性品格徳性人品

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【機械】より


[概念]
 〈きかい〉という言葉は古くからあったが,〈機械〉の文字が用いられるようになったのは1874年以後である。それ以前は〈器械〉と書くのが普通であった。この語は古くは《周礼》に出てきて,〈器〉は楽器,〈械〉は武器を意味していた。…

※「器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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