嘴・喙(読み)くちばし

精選版 日本国語大辞典 「嘴・喙」の意味・読み・例文・類語

くち‐ばし【嘴・喙】

〘名〙
鳥類の上下のあごの骨が突きでて角質の鞘(さや)でおおわれた部分。食物をとる働きのほか、巣造り羽づくろいなど手に代わる働きをし、食性に応じて種々の形態をとる。カモノハシや化石爬虫類の一部にもみられる。また、イカ、タコの口器にもいう。
※大智度論平安初期点(850頃か)一六「(口ハシ)・距・麁くくそ
歯車(1927)〈芥川龍之介〉六「まん中にとまってゐた鴉は大きい嘴(クチバシ)を空へ挙げながら」
② 口。口先
※玉塵抄(1563)一二「犬のくちばしの長をげんいんと云なり」
③ (━する) ものを言うこと。口をきくこと。また、口走ること。
浮世草子好色一代女(1686)三「これ故か後の日悩ませ給ひ、凄じく口ばしせらるるは」

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