嘲笑(読み)あざわらう

精選版 日本国語大辞典 「嘲笑」の意味・読み・例文・類語

あざ‐わら・う ‥わらふ【嘲笑】

[1] 〘自ワ五(ハ四)〙
① 声をたてて笑う。大笑いする。高笑いする。また、あきれ笑う。人もなげに笑うさまなどにいう。
書紀(720)敏達一四年八月(前田本訓)「物部弓削守屋大連、听然而咲(アザワラヒ)て曰はく『中猟箭之雀(ししやおへるすすめ)の如し』といふ」
※大鏡(12C前)一「翁二人見かはしてあざわらふ」
② あざけって笑う。せせら笑う。軽蔑する気持をこめて笑うさまなどにいう。
※書紀(720)神代下(水戸本訓)「是の時に、天孫其の子等(みこたち)を見(みそなは)して、嘲(アザワラ)ひて曰(のたま)はく『妍哉(あなにえや)、吾が皇子(みこたち)は聞喜而生(ききよくもあれませ)るかな』とのたまふ」
※談義本・教訓続下手談義(1753)五「三歳の小児もしってゐると冷笑(アザワラッ)て嘲(あざける)であろ」
[2] 〘他ワ五(ハ四)〙 (「笑う」動作が抽象化して) 人や物などを、悪く言う。軽蔑する。
※雑俳・柳多留‐一一(1776)「女郎かいけいせい買をあざ笑ひ」

あざけり‐わら・う ‥わらふ【嘲笑】

〘他ワ五(ハ四)〙 ばかにして笑う。あざわらう。
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「或は聞くこと有る者は、蚩(あサケリわラハ)ずと云ふこと莫し」
※百座法談(1110)六月二六日「孫居、これをあざけりわらひて、くちまねをせむために、くちをゆがめ、声をひがまして」

あざ‐わらい ‥わらひ【嘲笑】

〘名〙 軽蔑の気持をこめて笑うこと。せせら笑い。
仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上「面目なげに立ち去れば、下女もさすがに都人、あざわらひしてこそ立ちにけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「嘲笑」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐しょう〔テウセウ〕【嘲笑】

[名](スル)あざけり笑うこと。あざわらうこと。「他人の失敗を嘲笑する」
[類語]笑い物笑い嗤笑ししょう冷笑自嘲あざ笑う笑う薄笑うせせら笑う笑い飛ばす鼻で笑う一笑に付す失笑微笑む笑む笑い崩れる笑いける笑い転げる笑いさざめく吹き出すほくそ笑むにこつくにたつくにやつく若気にやけやに下がる相好を崩す腹の皮をよじ腹の皮を腹を抱える御中おなかを抱えるおとがいを解く目を細めるにやにやにんまりにやりにこにこにっこりにこりにこやかにたにたにたりくすくすくすりくつくつ莞爾かんじくっくっとうふふえへらえへらえへへいひひあははにかっとからから薄笑い忍び笑い盗み笑い

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