啓(漢字)

普及版 字通 「啓(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
11画

(異体字)
11画

[字音] ケイ
[字訓] ひらく

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(けい)+攴(ぼく)。は神戸棚の中に祝詞の器((さい))を収めている形。金文字形(又)(ゆう)に従い、手でその扉を啓(ひら)く形で、神意の啓示するところを見る意である。〔説文〕三下に攴に従う字とし、「ふるなり」とし、〔論語、述而〕「せずんばせず」の句を引くが、本来は神の啓示をいう語であり、〔書、金〕に「籥(やく)をきて書を見る」というのが原義である。ゆえに神に申すことをも啓という。のちすべて啓開の意となり、啓発・啓のように用いる。金文の字形は・攴に更えて戈に従う形があり、聖器を以てこれを守る意。(肇)(ちよう)を金文にに作る。

[訓義]
1. ひらく、神戸棚をひらく、あける。
2. はじめる、おこす。
3. 神に申す、尊貴の人にいう。
4. みちびく、先駆する、ひろげる、土地をひらく、おしえる、啓発する。
5. 箕・と通じ、安居する、ひざまずく。

[古辞書の訓]
名義抄 マウス・ヒラク・カムガフ・ヒザマヅク 〔字鏡集〕 カムガフ・オコス・キザス・ヒク・ツク・ヒザマヅク・マウス・ヒラク

[語系]
khyei、開khei、khiは同系の語。開は門を開く。(かい)は〔方言、六〕に「を開く、~楚にては之れをと謂ふ」とあり、また明は啓明というのに同じ。みな一系の語である。また)は啓の省文に従い、肇始の意がある。啓居は箕kigigiueと通じ、箕居の姿勢をいう。

[熟語]
啓化啓緘・啓顔・啓・啓啓乞・啓求・啓・啓居啓疆・啓業・啓禁・啓・啓・啓戸・啓悟・啓口・啓啓行啓告・啓佐・啓罪・啓・啓歯・啓事・啓示・啓者・啓首・啓処・啓上・啓夕・啓奏・啓塞・啓体啓態啓拆啓蟄・啓・啓程啓迪・啓途・啓土・啓導・啓白・啓発啓撥啓稟・啓封啓袱・啓閉・啓報・啓明・啓啓籥・啓佑・啓祐・啓誘・啓・啓用啓沃・啓翼啓鑾・啓露
[下接語]
開啓・還啓・行啓・謹啓・光啓・時啓・粛啓・上啓・陳啓・追啓・天啓・拝啓・副啓・復啓・佑啓

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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