商団事件(読み)しょうだんじけん

改訂新版 世界大百科事典 「商団事件」の意味・わかりやすい解説

商団事件 (しょうだんじけん)

1924年10月に中国の広州でおこった商人の武装反乱。孫文の広東政府は,周辺を地方軍閥におさえられていたため,すべての財源を広州からの収奪に頼った。それに対する商人層の不満を列強や封建勢力が利用し,商人の武装自衛組織である商団(買弁陳廉伯が指導者)の力を背景に武装閉店ストを行ったのに対し,孫文は反革命としてそれを武力鎮圧した。この勝利と翌年の省東部による陳炯明勢力の討伐(東征)により広東政府基盤はかなり強化された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「商団事件」の意味・わかりやすい解説

商団事件
しょうだんじけん
Shang-tuan

中国,広東政府に対する反政府運動によって生じた武力衝突。 1924年広東政府の提出した徴税政策に反対する商人たちを中心に,香港上海銀行買弁陳廉伯の指導によって商団聯防総部が成立,商団側の武器購入,政府による押収ストライキ,イギリス当局の介入,押収した武器の返還など激しいあつれきを経て,10月 10日ついに武力衝突にまで発展したが,14日孫文は武力鎮圧を決定し,15日に商団根拠地を攻撃,2日後に商団軍は壊滅した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android