唾液腺の種類

六訂版 家庭医学大全科 「唾液腺の種類」の解説

唾液腺の種類
(口・あごの病気)

 唾液腺口腔内に唾液を分泌する臓器です。ヒトでは左右3対の大唾液腺があります。耳下腺(じかせん)顎下腺(がくかせん)舌下腺(ぜっかせん)です。これらの大唾液腺は口腔の外部に存在し、唾液を口腔に排出する導管をもっています。これら大唾液腺以外に小さな唾液腺が口腔粘膜下に存在します。これらは小唾液腺と呼ばれ、口唇腺(こうしんせん)口蓋腺(こうがいせん)頬腺(きょうせん)舌腺(ぜっせん)などがあります。

耳下腺

 耳下腺は耳前部から頬部ならびに下顎後方部の皮下に広がる、最大の唾液腺です。耳下腺の腺体のなかには顔面神経が通過しています。耳下腺の導管は頬粘膜に耳下腺乳頭として開口しています。耳下腺から分泌される唾液は漿液(しょうえき)性(さらさらした水溶液)で粘稠(ねんちゅう)性(粘り気)がありません。

顎下腺

 顎下腺は顎下部に位置しています。顎下腺管は顎下腺から出て舌下部中央の舌下小丘に開口しています。分泌される唾液は漿液性唾液と粘液性唾液の混合性で、粘稠性は比較的少ないものです。

舌下腺

 舌下腺は舌下部粘膜下に存在します。導管は短く、舌下小丘部付近に開口します。分泌される唾液は粘液性唾液で粘稠です。

小唾液腺

 小唾液腺は口腔粘膜下に600~1000個存在し、そのすべてが粘液腺です。小唾液腺が存在する部位によって、口唇腺舌腺、口蓋腺、頬腺、舌口蓋腺、臼後腺(きゅうごせん)などの名称がつきます。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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