唐風説書(読み)とうふうせつがき

改訂新版 世界大百科事典 「唐風説書」の意味・わかりやすい解説

唐風説書 (とうふうせつがき)

鎖国体制下の日本に年々来航した清の商船によってもたらされた海外情報。幕府の儒官林春斎・鳳岡父子が《華夷変態》《崎港商説》として編輯。1644年明清革命の情報記事から1724年におよぶ記事が収録されている。長崎入港唐船の1船ごとに,長崎奉行が唐通事に聴取・訳出・調整のうえ,江戸幕府に上達したものである。大陸を中心とする内外情勢の情報,スペイン,ポルトガル等天主教国の動静,ことに日本への行動について,またヨーロッパ人の東洋における活動や漂流に関する詳報を提出させて,キリスト教禁制,密貿易防止の資としたもので,〈オランダ風説書〉とほぼその性質由来を同じくする。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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