唐会要(読み)とうかいよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「唐会要」の意味・わかりやすい解説

唐会要
とうかいよう

唐代の制度を類集した政書。北宋(ほくそう)初の王溥(おうふ)ら編(961年成る)、100巻。蘇冕(そべん)ら編『会要』(8世紀末)と崔鉉(さいげん)ら編『続会要』(9世紀中葉)をあわせ、唐末の記事を加え、帝王に始まり蕃夷(ばんい)に終わる構成で数百項目に分け、唐代の国制と、とくに為政者の参考となる奏議などを載録する。唐の典章をうかがうのにもっとも便利な書物で、以降、歴朝これに倣い各代の会要がつくられた。現行本は清(しん)初に『永楽大典』から抽出復原されたテキストで、一部後補を含む。

[池田 温]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「唐会要」の意味・わかりやすい解説

唐会要
とうかいよう
Tang hui-yao

中国,唐朝の諸制度の沿革を項目別に記した書。 100巻。宋の王溥 (おうふ) の著となっているが,それ以前,唐の蘇冕 (そべん) や崔鉉 (さいげん) らがそれぞれ 40巻の『会要』を著わし,王溥がそれ以後唐末までを付加して 100巻としたもの。ただし蘇冕らの書は今日伝わらない。 514の項目に分れ,帝王,皇后,宮廷,官制から宗教経済,さらに異民族に関することまで収められており,唐代研究の基本的な文献となっている。

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