唇歯輔車(読み)しんしほしゃ

精選版 日本国語大辞典 「唇歯輔車」の意味・読み・例文・類語

しんし‐ほしゃ【唇歯輔車】

〘名〙 (「春秋左伝‐僖公五年」の「諺所輔車相依、脣亡歯寒者、其虞虢之謂也」による語。「輔」は頬骨、「車」は歯ぐきの意) 一方がほろべば他方も立ちゆかなくなるような、利害が密接で離れられない関係をたとえていう語。もちつもたれつの関係。
※義経仁義主汗(1894)〈福地桜痴〉八「故なくして国土を広め妄りに他国を攻亡さん存意なし、取分け貴国は唇歯輔車(シンシホシャ)隣国なり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「唇歯輔車」の意味・読み・例文・類語

しんし‐ほしゃ【唇歯×輔車】

《「春秋左氏伝」僖公五年の「諺に所謂いはゆる、輔車相依り、くちびる亡ぶれば歯寒しとは」から》一方が滅べば他方も成り立たなくなるような密接不離の関係にあって、互いに支え助け合って存在していることのたとえ。
[類語]唇亡びて歯寒し輔車相依あいよ相即不離表裏一体うおと水車の両輪皮を引けば身が付く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

四字熟語を知る辞典 「唇歯輔車」の解説

唇歯輔車

一方がほろべば他方も立ちゆかなくなるような、利害が密接で離れられない関係をたとえていう語。もちつもたれつの関係。

[使用例] 公らと我とは同文同人種の同胞である。唇歯輔車の関係である[内田魯庵*社会百面相|1902]

[解説] 「輔車相依り、唇亡ぶれば歯寒し」という意味から。「輔」は頬骨、「車」は歯ぐき。また、車のそえ板と車台ともいいます。「輔車」で一方がほろびれば他方もほろびるような関係をいいます。

出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android