和睦(読み)わぼく

精選版 日本国語大辞典 「和睦」の意味・読み・例文・類語

わ‐ぼく【和睦】

〘名〙
① 人々がなごやかな気持で、親しみ合うこと。なかむつまじくすること。和合。かぼく。
※家伝(760頃)下「上安下泰、鬼神和睦、乃国乃家、爰労爰戮、忠貞籍甚、其人如玉」
※十善戒相(1774)「家も和睦し、四海も泰平に、草木まで花果うるはしき」 〔春秋左伝‐成公一六年〕
仲直りをすること。争っていた人や国が、争いをやめて親しくすること。和解講和。かぼく。
※太平記(14C後)二八「項王遂に亡て、漢七百の祚を保し事は、陳平・張良が謀にて、偽て和睦(ワボク)せし故也」
※上杉家文書‐永祿一二年(1569)七月一五日・上杉憲盛書状「今度駿州仕合に付而、従小田原和睦之儀、被申寄候歟」
[補注]古辞書類では「かぼく」と読んでいるものが多いが、便宜上、読みの不確実な用例は本項におさめた。

か‐ぼく クヮ‥【和睦】

〘名〙 (「か」は「和」の漢音) 親しくすること。また、仲直りすること。わぼく。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
評判記色道大鏡(1678)一二「駿州は武田家の手に入、諸大将も和睦(クボク)しければ、世も静かになり」

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デジタル大辞泉 「和睦」の意味・読み・例文・類語

わ‐ぼく【和睦】

[名](スル)
争いをやめて仲直りすること。和解。「和睦を結ぶ」「両国和睦する」
親しみ合って仲よくすること。
「君は国を憂へ、臣は家を忘る。君臣合体、上下―する者なり」〈著聞集・三〉
[類語]仲直り和解和議和平和戦講和休戦停戦終戦矛を収める水に流す元の鞘に収まる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「和睦」の読み・字形・画数・意味

【和睦】わぼく

親しみあう。〔左伝、成十六年〕上下和睦し、旋して(さか)らはず、求めてはらざる無し。

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