和田精(読み)わだせい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「和田精」の意味・わかりやすい解説

和田精
わだせい
(1893―1970)

演出家。千葉県佐倉に生まれる。東京高等工業学校(現東京工業大学)卒業。会社員を経て、1924年(大正13)築地(つきじ)小劇場創立同人として演出部に参加。ここで日本における舞台照明舞台効果分野を初めて確立した。その後松竹その他の劇場の舞台効果の仕事に携わる。30年(昭和5)NHK大阪放送局入社、44年退社。第二次世界大戦後は新日本放送嘱託となり、日本の放送界制作陣の第一人者であった。

大木 靖]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「和田精」の解説

和田精 わだ-せい

1893-1970 大正-昭和時代の演出家。
明治26年1月15日生まれ。和田誠の父。大正13年築地小劇場の創立同人となる。日本の舞台照明・音響効果分野における開拓者のひとり。昭和5年NHK大阪放送局にはいり,放送劇を演出する。のち毎日放送取締役。昭和45年4月11日死去。77歳。千葉県出身。東京高工(現東京工業大)卒。

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世界大百科事典(旧版)内の和田精の言及

【築地小劇場】より

…〈劇場は付属劇団を持つ〉という原則にのっとり,上記築地小劇場の付属劇団として小山内薫(おさないかおる)と土方与志を中心に,非商業主義と純芸術主義の旗を掲げて同じ1924年に発足した新劇団。新築の築地小劇場を本拠地に小山内,土方,汐見洋(しおみよう),友田恭助,和田精(せい),浅利(あさり)鶴雄が同人となり(1ヵ月後に青山杉作が加わる),第1回公演にはR.ゲーリングの表現主義劇《海戦》ほかを上演,観客に強い衝撃と新鮮な感動を与えた。〈演劇の実験室・新劇の常設館・民衆の芝居小屋〉を合言葉に,5年間に117編におよぶ内外戯曲を実験的・研究的に連続上演して,本格的な新劇運動を展開し,現代の新劇運動の原点となった。…

※「和田精」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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