和田地区(読み)わだちく

日本歴史地名大系 「和田地区」の解説

和田地区
わだちく

あずさ川の右岸台地、東筑摩ひがしちくま波田はた町の東に展開する地域で、もっぱら梓川の水を波田町の上流から揚水して計画的に開村し、早くから水田が発達した。和田堰はもと大井堰おおいせぎ(和田川)といわれ、これを幹線として神林かんばやし川・芝沢しばさわ川・中川・宮川ほうり川の数溝となって、和田地区の八耕地と新村の二耕地、神林の五耕地を灌漑して奈良井ならい川に注ぐ。「東筑摩郡村誌」によると「地勢地面平坦東方稍低下セリ、該地山ニ遠ザカリ河ヲ帯バズ舟車運輸ノ便無キガ為ニ薪炭等最モ乏シトス(中略)気候西北遥カニ安曇ノ郡岳ヲ負ヒ、平地陰翳ナキガ故ニ、夏炎冬寒共ニ烈シトス、寒暖計極暑ハ九十余度ニ及ビ極寒ハ二十度以下ニ下ル」とあり、地味については「其色青黒、其質良、且ツ灌漑ニ便ナルガ故ニ稲粱ニ宜シトス、然レ共其西部ハ赤黒色の軽土ニシテ質最モ瘠タリ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報