和布刈(読み)めかり

精選版 日本国語大辞典 「和布刈」の意味・読み・例文・類語

め‐かり【和布刈】

[1] 〘名〙
① 若布(わかめ)を刈り取ること。また、その人。《季・春‐夏》
※連歌新式追加並新式今案等(1501)「和布。若和布は春也。和布刈は夏也」
② 「めかり(和布刈)の神事」の略。《季・冬》
※光悦本謡曲・和布刈(1539頃)「去程にめかりの時到る」
[2] 謡曲。脇能物。観世宝生金剛喜多流。作者不詳。長門国の早鞆(はやとも)明神では、毎年大晦日(おおみそか)神主海底の若布を刈る神事が行なわれる。今年も用意していると、老漁夫と海女(あま)が来て、神代に海陸の往来が絶えた理由を語り、和布刈の神事は龍神がその海を陸路に変えるためのものだと言って消える。神事の時刻になり、海女は龍女となって舞を舞うと龍神が現われ、海底に道を開く。そこで神主は海にはいって若布を刈ってもどると海はもとの通りになり龍神は龍宮に帰る。

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デジタル大辞泉 「和布刈」の意味・読み・例文・類語

め‐かり【和布刈(り)】

ワカメなどを刈り取ること。 春》

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