和光(読み)ワコウ

デジタル大辞泉 「和光」の意味・読み・例文・類語

わ‐こう〔‐クワウ〕【和光】

和光同塵どうじん」の略。
光をやわらげること、また、やわらかな光。
「わが朝の天神地祇感応の―を添へ」〈浄・用明天王

わこう【和光】[地名]

埼玉県南部の市。もと川越街道宿場町東京都に北接し、住宅地・工業地化が進む。自動車工業などが盛ん。人口8.0万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「和光」の意味・読み・例文・類語

わ‐こう ‥クヮウ【和光】

〘名〙
① 徳の光をやわらげつつむこと。知恵を外に現わし示さないこと。
※三教指帰(797頃)中「虚亡隠士。先在座側。詳愚。淪智。和光。示狂」 〔後漢書‐王允伝〕
仏語仏菩薩威徳の光をやわらげ、仮の姿を衆生の間に現わすこと。また、その仏菩薩。和光同塵
※続日本紀‐養老二年(718)一〇月庚午「又経曰。日乞告穢雑市里。情雖於和光。形無于窮乞
③ おだやかな威光。なごやかな光。
浄瑠璃・暦(1685)三「日月わくはうのめぐりをつもって喜び」

わこう ワクヮウ【和光】

埼玉県南部の地名荒川南岸にある。江戸時代は川越街道の宿場町、新河岸川の河岸場として栄えた。近年東京の近郊住宅・工業地帯として発展。昭和四五年(一九七〇大和(やまと)町が市制施行し名称変更。

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改訂新版 世界大百科事典 「和光」の意味・わかりやすい解説

和光[市] (わこう)

埼玉県南部の市。1970年市制。人口8万0745(2010)。市域武蔵野台地と荒川低地にまたがり,東は白子(しらこ)川を隔てて東京都板橋区に接する。758年(天平宝字2)新羅人131名が移住して新羅郡を置いたところで,白子はその遺名とされる。白子は江戸時代には川越街道(現,国道254号線)の宿場町として栄え,5・10の六斎市も立った。明治以降,根菜を中心とする野菜作りの盛んな近郊農村として発展したが,1914年東武東上線が市域のほぼ中央に開通し,新倉駅(現,和光市駅)が開設されてからは,東京の郊外地としての性格が強まった。53年から埼玉県工場誘致条例にもとづいて,60年の本田技研をはじめとして自動車関係,金属製品,電機などの工場進出が相次ぎ,1958年には理化学研究所も進出した。また台地末端の良質な湧水(白子の湧水)を利用して,清酒清涼飲料水の製造も行われている。首都圏15km圏内という立地条件を生かした住宅建設も盛んで,昭和30年代以後,住宅・都市整備公団の西大和団地をはじめとする団地群が出現し,典型的なベッドタウンとなった。92年には東京外環自動車道が開通し,関越・東北・常磐自動車道との連絡が至便になった。1981年には新河岸川河川敷に,荒川右岸流域下水道終末処理場もつくられた。
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普及版 字通 「和光」の読み・字形・画数・意味

【和光】わこう(くわう)

光をつつむ。〔老子、四〕其のを挫き、其のを解き、其の光を和らげ、其の塵に同ず。湛(たん)として或いは存するに似たり。

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