普及版 字通 「咄(漢字)」の読み・字形・画数・意味
咄
8画
[字訓] しかる・おどろく・はなし
[説文解字]
[字形] 形声
声符は出(しゆつ)。〔説文〕二上に「相ひ謂(い)ふなり」とよびかける意とし、〔漢書、李陵伝〕に「咄、少(李陵)よ」とみえる。「咄咄」はあやしむ、「咄(しつとつ)」はる、「咄嗟(とつさ)」は急なことに驚く意。舌をうつ擬声語である。
[訓義]
1. しかる、しかる声。
2. おどろく、あわてる、なげく。
3. よびかける、おいとよぶ。
4. 国語で、はなし、こばなし。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕咄 ヤア・ツタナシ・カタラク・アハフク・オレノ・イサフ 〔立〕咄 アヒカダシ・ヤ・イサフ・ツタナシ・クフ・アハフク 〔字鏡集〕咄 アラ(ハ)フク・カタラフ・クチツツナリ・ツタナシ・イサフ・ハク
[語系]
咄tut、出thjiutは声近く、咄は強く息を吐き、また舌うちする擬声語。出の声義を承ける。吶tut、訥nutは言を出そうとして、語をなさぬような発声をいう。
[熟語]
咄呵▶・咄嗟▶・咄▶・咄児▶・咄▶・咄▶・咄咤▶・咄諾▶・咄▶・咄咄▶・咄罵▶
[下接語]
呵咄・訶咄・驚咄・苦咄・咄・納咄
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報