精選版 日本国語大辞典「命綱」の解説
いのち‐づな【命綱】
〘名〙
※剥製(1969)〈三浦哲郎〉二「その代り、腰に命綱をつけていけ」
② 廻船の綱具のうち、最上の加賀苧綱(かがおづな)の俗称。おもに碇綱(いかりづな)として用い、「かがす」とも呼ばれる。
※宝暦漂流物語(1754)「かがすとは、船中に命綱とて、太綱の七八十尋もあるを」
③ 救命ブイ、救命いかだ、救助艇などの周囲についている綱、船の甲板に張ったつかまり綱、難破船に渡して連絡を取る綱など。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉二「ハッチの上を通るやうに、ライフライン(命綱)が張られた」
④ (比喩的に) 命、あるいは生活をささえるたよりになるもの。生存あるいは存続のための基盤。命の綱。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉伸び行く「その人さへ僕を信じ愛してゐてくれるなら、と、それを最後の命綱(イノチヅナ)にしてゐたんですが」
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