呼掛(読み)よびかけ

精選版 日本国語大辞典 「呼掛」の意味・読み・例文・類語

よび‐かけ【呼掛】

〘名〙
① やや離れた所にいる人に声をかけてその人の注意をこちらに向けること。また、その声。
※大道無門(1926)〈里見弴〉隠家「威勢よく襖が引きあけられたのと〈略〉ほがらかな呼(ヨ)びかけとが一緒だった」
能楽で、シテ登場の形式の一つ。シテが舞台にいるワキに声をかけながら、揚幕のうちや橋懸(はしがかり)から登場すること。
③ 人々に賛同を求めたり、行動をともにすることなどを要請、あるいは勧誘したりすること。また、そのための文章や演説
※現代史の課題(1956)〈亀井勝一郎〉日本近代化の悲劇「アジア諸国へのよびかけ等が焦りのうちに行はれた」
④ (呼び込んで足を掛けるの意) 相撲の手の一つか。押して来る相手を組みつけ、相手上半身を呼びこんでおいて足を掛け倒す技。〔相撲講話(1919)〕

よび‐か・ける【呼掛】

〘他カ下一〙 よびか・く 〘他カ下二〙
① 声をかけて相手の注意をこちらに向けさせる。
※天草本伊曾保(1593)狼と狐の事「キツネガ yobicaqete(ヨビカケテ) ユウワ」
② 直接声をかけたり手紙を出したりして、人々に賛同を求めたり、行動をともにすることなどを要請、あるいは勧誘したりする。
今昔(1120頃か)一九多くは此の僧を呼懸て、講師などをしけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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