普及版 字通 「周(漢字)」の読み・字形・画数・意味
周
常用漢字 8画
(旧字)
8画
[字訓] めぐる・あまねし
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
干(たて)(盾)+口。周の国号に用いる字は、卜文では方形の干を四分して、雕飾(ちようしよく)の点を加えた形、金文に至って下に祝の器の形である(さい)を加える。金文に「玉」(玉)、「玄戈」(玄戈)のように用い、は・雕の初文。その雕飾の稠密(ちゆうみつ)であることから、周(しゆうそう)の意となる。その雕盾(ちようとん)がおそらく周族の号的な聖器であったらしく、その器に祈って行動したので、周がその国号、王朝の号となった。が雕盾の象であることは、畫(画)・劃の字形に含まれる田の形が、のもとの字形であることからも知られる。〔説文〕に字を口部二上に属して「密なり」とし、用口の密なる意とし、〔段注〕にその意を「善く其の口を用ふるときは、則ち密なり」とするが、字は用や口耳の口に従うものではない。
[訓義]
1. 古代の王朝の名、その標識とした雕盾の形、たて。
2. たて一面に施した雕飾、めぐる、あまねし、ゆきわたる、いたる、あう。
3. ゆきとどく、つつしむ、まこと、したしむ。
4. そなわる、おえる、かなう。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 アマネク・アマネハス・クマ・マコトニ・チカシ・メグル・タダシ・シタシ・スクフ・マウク・キハム・ヒソカニ・オソル・ホトリ・イタル・ヒロシ・タダ・トトノフ/ アハツ・サワグ
[声系]
〔説文〕に声として・(調)・雕・稠・(彫)・など、十八字を収める。の声義を承けるものが多い。
[語系]
・tjiuは同声。雕・tyuはもと雕盾をいう字。稠・綢diuもの声義を受けるもので、稠密の意がある。
[熟語]
周渥▶・周委▶・周囲▶・周垣▶・周縁▶・周廻▶・周郭▶・周環▶・周観▶・周急▶・周亟▶・周径▶・周甲▶・周厚▶・周行▶・周洽▶・周済▶・周歳▶・周施▶・周時▶・周悉▶・周浹▶・周章▶・周親▶・周慎▶・周旋▶・周▶・周▶・周匝▶・周沢▶・周緻▶・周知▶・周馳▶・周聴▶・周通▶・周転▶・周到▶・周年▶・周備▶・周布▶・周▶・周辺▶・周容▶・周羅▶・周覧▶・周流▶・周歴▶・周露▶
[下接語]
一周・殷周・円周・外周・環周・月周・四周・比周
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報