告示
こくじ
行政庁が決定した事項を一般に公式に知らせる行為、またはその公示の形式の一種。国家行政組織法第14条1項は一般的に、各大臣、各委員会および各庁の長官の告示発布権を規定しているが、そのほか個別の法規に根拠規定が置かれることがある。告示は一般に官報または公報に掲載される。告示の実例としては、物価統制令上の統制額、保険医療費、学習指導要領、生活保護基準、町名変更、帰化許可、保安林指定、環境基準、米穀の政府買入価格、国民生活安定緊急措置法により決定される生活関連物資等の標準価格や特定標準価格など多数ある。その法的性質は争いが多いが、一般処分ないし立法行為、通知行為、事実行為ないし指導助言、指導要綱など、場合により種々の性質をもつといわれている。
[阿部泰隆]
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告示
こくじ
公の機関が決定した事項その他一定の事項を公式に一般に知らせること。またはそのための形式 (官報などの告示欄) 。公示を必要とする場合に発せられる (国家行政組織法 14条1項) 。対外的ではあるが命令的なものではなく法規としての性質をもたない場合が多いが,補充的に法規としての性質をもつ場合があり,また一般処分の性質をもつ場合もある点で重要である。
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こく‐じ【告示】
〘名〙 (━する) (古くは「こくし」とも) 一般に広く告げ知らせること。特に国家や地方公共団体などが、ある事項を一般の人に広く知らせること。また、そのもの。ふれわたし。ふれ。
※続日本紀‐養老七年(723)八月甲午「台省二司。明加二告示一」
※国籍法(明治三二年)(1899)一二条「帰化は之を官報に告示することを要す」 〔荀子‐栄辱〕
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デジタル大辞泉
「告示」の意味・読み・例文・類語
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こくじ【告示】
国または地方公共団体等の公の機関が処分その他の一定のことがらを発表して,これを一般公衆の知りうる状態におく行為またはそのための一定の行為形式をいう。公職選挙法上の投票区または開票区の告示(17条3項,18条3項)は前者の例である。国家行政組織法は知りうる状態におく行為を公示とし,公示を告示という形式で行うものとしている(14条1項)。この意味での告示は,今日では法令等の公布の方法である官報その他の公報に登載して行われている。
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普及版 字通
「告示」の読み・字形・画数・意味
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知恵蔵
「告示」の解説
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世界大百科事典内の告示の言及
【公表制度】より
…地方自治法上の直接請求の要旨の公表(74条以下)等はその例である(そのほか,国家公務員法24条2項,公認会計士法1条2項)。ただ国家行政組織法による公示は告示の形式で行われるものとされ(14条1項),それ以外の公示の場合にも告示をもってすることを例としているが,公表の場合には,その形式について特別な法的制約はない。(2)公表制度が行政機関による一種の制裁的制度を意味することがある。…
【太政官布告】より
… その後立憲制への移行が具体化した1881年には官制全般の改正が行われたが,同年11月10日の〈諸省事務章程通則〉によって,各省主管の事務に属する法律,規則,布達については各省卿がこれに副署してその執行責任をとるものとされた。ついで翌12月3日の太政官達で,法律,規則は布告をもって,従前諸省限り布達した条規の類はすべて太政官より布達をもって,さらに太政官および諸省より一時公布するにとどまるものは告示をもって発行するものとされた。これによって官庁が発令する法令の形式は,布告,布達,達,告示の4形式となった。…
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