日本大百科全書(ニッポニカ) 「吹上(和歌山県)」の意味・わかりやすい解説 吹上(和歌山県)ふきあげ 和歌山県北西部、和歌山市の一地区。和歌山城から南へ連なる古代の浜堤(ひんてい)で、古くは吹上浜(ふきあげのはま)といい、『枕草子(まくらのそうし)』や『能因歌枕(のういんうたまくら)』などにもみえ、歌枕として知られた。『古今集』の「秋風の吹上にたてる白菊は花かあらぬか波の寄するか」(菅原道真(すがわらのみちざね))などがある。熊野古道に沿い、都の人に知られたためである。紀ノ川による陸化が進んだ江戸期は、城下の武家屋敷や寺町が発達した。県立博物館、近代美術館があり、隣接する岡山の時鐘堂は県の史跡に指定されている。[小池洋一][参照項目] | 和歌山(市) 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例