吸入器(読み)きゅうにゅうき

日本大百科全書(ニッポニカ)「吸入器」の解説

吸入器
きゅうにゅうき

孔または口腔(こうくう)から、吸気とともに気体や液体を吸入する器具。口腔、鼻腔、咽喉(いんこう)、気管の上部に対する局所作用、または気道および肺からの吸収作用を目的として用いられる。酸素吸入器は気体吸入の一例で、マスク、カテーテル、テント式などがある。手術時の麻酔も麻酔吸入器による場合がある。液体の吸入では、空気を利用した散器と、水蒸気を利用した蒸気吸入器とがあり、蒸気吸入器は家庭でも使用できる。

 蒸気吸入器は使用の際に、タンクの水を電熱器などで加熱するが、このとき、水がタンクいっぱいだと熱湯が噴きこぼれて危険なので、水はタンク3分の2ぐらいに入れるとよい。薬液容器には、2%の重曹水や食塩水などを入れる。加熱して噴き出る蒸気の温度が一定したら、患者のほうに蒸気口を向けて使用する。患者の口の下には浅い容器(膿盆(のうぼん))を置き、唾液(だえき)などはここで受ける。衣服などがぬれないように注意する。最近では乾電池使用のポケット型のものが出ており、家庭や学校、職場で簡単に使用できるようになった。

[山根信子]

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精選版 日本国語大辞典「吸入器」の解説

きゅうにゅう‐き キフニフ‥【吸入器】

〘名〙 ガス薬物、蒸気の吸入を行なう際に用いる器具。吸入器械。吸入。《季・冬》
(1913)〈徳田秋声〉四四「病室のなかには、懸け詰にかけておく吸入器から噴出される霧が」

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デジタル大辞泉「吸入器」の解説

きゅうにゅう‐き〔キフニフ‐〕【吸入器】

蒸気・霧の状態にした薬物や酸素を鼻や口から吸入させるための器具。呼吸器疾患の治療や麻酔に用いる。 冬》「上の子やみずからかくる―/汀女

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