吸入副腎皮質ホルモン・β2刺激薬配合剤(読み)キュウニュウフクジンヒシツホルモンベータツーシゲキヤクハイゴウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

吸入副腎皮質ホルモン・β2刺激薬配合剤

製品名
《サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤》
アドエア(グラクソ・スミスクライン)
《ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物配合剤》
シムビコートタービュヘイラー(アストラゼネカ、アステラス製薬)
《フルチカゾンフランカルボン酸エステル・ビランテロールトリフェニル酢酸塩配合剤》
レルベアエリプタ(グラクソ・スミスクライン)
《フルチカゾンフランカルボン酸エステル・ウメクリジニウム臭化物・ビランテロールトリフェニル酢酸塩配合剤》
テリルジーエリプタ(グラクソ・スミスクライン)
《フルチカゾンプロピオン酸エステル・ホルモテロールフマル酸塩水和物配合剤》
フォルティフォームエアゾール(アステラス製薬、杏林製薬

 副腎皮質ふくじんひしつホルモン剤(ステロイド)とβ2刺激剤の配合剤で、吸入ステロイド剤と長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合の気管支喘息ぜんそくの治療、慢性閉塞性肺疾患COPDの諸症状の緩解(フルティフォームを除く)に用いられます。ただし、すでに起きている呼吸器の発作を軽減する薬ではないので、毎日規則正しく使用してください。


①皮膚・粘膜に刺激感・発疹ほっしんなどの過敏症、アナフィラキシーが現れることがあります。このような症状が現れたら、使用を中止して、すぐ医師に報告してください。


サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤フルチカゾンプロピオン酸エステル・ホルモテロールフマル酸塩水和物配合剤では、血清カリウム値低下、肺炎ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物配合剤では、血清カリウム値低下、フルチカゾンフランカルボン酸エステル・ビランテロールトリフェニル酢酸塩配合剤では、肺炎が、フルチカゾンフランカルボン酸エステル・ウメクリジニウム臭化物・ビランテロールトリフェニル酢酸塩配合剤では、肺炎、心房細動が現れることがあります。このような症状が現れたら、使用を中止し、すぐに医師に相談してください。


口腔及び呼吸器カンジダ症、声がれ(嗄声させい)、せき、味覚異常、気管支けいれん、心悸亢進しんきこうしん、脈拍増加、振戦、頭痛、睡眠障害、吐き気腹痛、関節痛、むくみ、胸痛、肺炎、筋けいれんなどが現れることがあります。


 使用中に異常を感じたら、医師に相談してください。


吸入剤で1日1~2回吸入するのが原則です。薬が口腔内に均一にいきわたるように噴霧してください。過度の使用により不整脈、心停止などの重篤な副作用が現れる危険性があります。用法用量については医師の指示に従ってください。


 また、急に悪化させるおそれがあるので、減量や使用を中止するときは医師の指示に従ってください。


②慢性閉塞性肺疾患の症状が急激に悪化した場合は、すぐに医療機関を受診してください。


③有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症のある人、これらの薬剤に過敏症のある人、フルチカゾンフランカルボン酸エステル・ウメクリジニウム臭化物・ビランテロールトリフェニル酢酸塩配合剤では閉塞隅角緑内障前立腺肥大症などの排尿障害のある人には使用できません。


妊婦または妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人は使用できないこともあります。あらかじめ医師に相談してください。


⑤感染症、甲状腺機能亢進症、高血圧症、心疾患、糖尿病、低カリウム血症、重度の肝機能障害などのある人は、医師に相談してから用いてください。


⑥現在使用中の薬がある人は、医師にその旨を報告してください。リトナビル製剤、カテコールアミン製剤、キサンチン誘導体製剤、副腎皮質ホルモン剤、利尿剤などとの併用は注意してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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