精選版 日本国語大辞典 「否」の意味・読み・例文・類語
いな【否】
[1] 〘感動〙
① 相手の言うこと、なすこと、または、質問などを拒否したり、同意しなかったりするときに発することば。いや。いいえ。いやだよ。
② 自分の発言を途中で否定したり、ためらったりするときに発することば。いや。いやそうではなく。
※白氏文集天永四年点(1113)三「蓬莱を見ずは敢(イナ)(〈別訓〉いなや)帰らじ」
[2] 〘名〙 ((一)を名詞的に用いたもの) 同意しないこと。承知しないこと。拒否すること。いやだと答えること。
※万葉(8C後)四・七六二「神さぶと不欲(いな)にはあらずはたやはた斯(か)くして後にさぶしけむかも」
ひ【否】
〘名〙 易の六十四卦の一つ。
。上卦は乾(天)、下卦は坤(地)。天地否ともいう。天の気が昇り、地の気が降って、陰陽の二気が交わらないさま。


※古易断時言(1771)一「占ふて此卦に遇ふ、諸事不レ通。妨け有とす」
いや‐ま
し【否】
〘形シク〙 (「いやむ(否)」の形容詞化) いやに思われる。面白くない。いとわしい。
※唐物語(12C中)上「呂后いやましく心うきことにぞおぼしける」
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