否諾(読み)イナセ

デジタル大辞泉 「否諾」の意味・読み・例文・類語

いな‐せ【否諾】

《「せ」は肯定の意》
承知か承知か。諾否だくひ
「さあ、―の返事はいかに」〈咄・御前男・一〉
安否あんぴ。また、その知らせ。
「―の便りもし給はぬは」〈浄・出世景清

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「否諾」の意味・読み・例文・類語

いな‐せ【否諾】

〘名〙 (「いな」は否定、「せ」は肯定の意)
① 不承知と承知。いなう。諾否
※後撰(951‐953頃)恋五・九三七「いなせともいひはなたれずうき物は身を心ともせぬ世なりけり〈伊勢〉」
② 無事であるのか、そうでないのか。安否。または、安否を知らせるたより。消息連絡。いなさ。
サントスの御作業(1591)二「イマワ カノ イデブネノ inaxe(イナセ)ヲ キカセラレント」

なや‐うや【否諾】

連語〙 拒否することと承諾すること。いやかおうか。
名語記(1275)四「人のなからひのなやうやといへる、なや、如何」

いな‐う【否諾】

〘名〙 不承知と承知。いやおう。

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