こう‐はい カウ‥【向背】
〘名〙
① 従うこととそむくこと。従ったりそむいたりすること。きょうはい。
※翰林葫蘆集(1518頃)七「以二其節凜然一而見三心之無二向背一也」
※
報徳記(1856)八「何ぞ
人情の向背
(カウハイ)是の如く速なるや」
② 互いに背を向けて親しくまじわらないこと。きょうはい。
※金刀比羅本保元(1220頃か)上「かやうに
兄弟の御中向背
(カウハイ)におはせしかば」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「向背」の意味・読み・例文・類語
きょう‐はい〔キヤウ‐〕【▽向背/×嚮背】
《「きょうばい」とも》
1 従うことと背くこと。こうはい。〈色葉字類抄〉
2 背き合うこと。仲たがい。
「九郎判官と―し給ふこと理かな」〈義経記・六〉
こう‐はい〔カウ‐〕【向背】
1 従うこととそむくこと。「向背常ならず」
2 物事の成り行き。動静。「事の向背を見守る」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「向背」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
世界大百科事典(旧版)内の向背の言及
【不孝】より
…すなわち,当時この行為を〈不孝す〉といった。子孫のいかなる行いに対して不孝がなされるかについては,公家法では教令違犯,供養(くよう)の闕(祖父母,父母を養ううえでの手落ち),また武家法では教令違犯,敵対,向背(きようはい)(教訓,指示に背く),不調(ふぢよう)(不行跡)などの抽象的な非行表現で十分であって,非行の内容を具体的に示す必要はなかった。不孝された者は,家から追放され,嫡子に立って家を継ぐ身分も,祖父母,父母の財産の分与にあずかる資格もともに奪われ,すでに与えられた財産も取り上げられた。…
※「向背」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」