名東庄(読み)みようどうのしよう

日本歴史地名大系 「名東庄」の解説

名東庄
みようどうのしよう

名東郡にあった安楽寿あんらくじゆ(現京都市伏見区)領の庄園。鮎喰あくい川下流域右岸、現徳島市名東町・鮎喰町・しよう町・南庄町・蔵本くらもと町・南蔵本町・佐古さこ島田しまだ加茂名かもな町の各地区一帯に比定される。久安二年(一一四六)七月一一日の河人成俊等問注申詞記(愚昧記仁安二年冬巻裏文書)には、鮎喰川を挟んで隣接する延命えんめい院内に「名東御庄寄人」の住居があったことがみえる。当庄は、安元二年(一一七六)二月日の八条院領目録(山科家古文書)の前欠部にあたる安楽寿院領等庄園目録案(高山寺文書)に「安楽寿院御庄庄」の一つとして「阿波国名東」とみえる。また平安末期頃と推定される年月日不詳の安楽寿院領を書上げた庄々所済注文案(安楽寿院古文書)にも「名東」とみえ、康和二年(一一〇〇)一〇月二一日に立券された、田一〇五丁二反二六〇歩・畠八九丁五反二一二歩に及ぶ庄園で、米二八三石九斗・檜皮三五〇の納入を課せられていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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